漫画感想『アクタージュ act-age』scene35

感想という特性上『アクタージュ act-age』のネタバレを含みます。

ネタバレ、ニラを混ぜ合わせた肉ダネを、皮で包んで形を整えます。皮の繋ぎ目はキッチリ閉じましょう。cccRY出汁のスープで一煮立ちさせれば完成です。

『アクタージュ act-age』scene35.

今週の景のTシャツは『アサガヤ』と『キーゼルバッハ部位』。何？キーゼルバッハ部位って。鼻中隔の前下端部の粘膜部位(Wikipedia)か。なるほどね、はい。

新Tシャツ、キーゼルバッハ部位は色Tシャツ。もしかして阿良也とアキラの御宅訪問回の時に着てたヤツかな、とも思ったけど、全コマ見ても描いていない。そもそもトーンが別の奴を使っている。多分初めて。(後日気がついたけど、初めてじゃなかった)景は色Tシャツを部屋着に選んだのかな。新しいの買ったなら、また幕間で触れて欲しいなと少し思ったり。1話で来ていた寝間着の白いヤツは一体どうなったのだろう。景の私服の全容が気になって夜しか眠れない。

そんな寝不足の頭によるさらなる考察力の低下を懸念して、大雑把な感想を以下に。

案の定、隠しきれていない
巌氏の言葉で納得する面々。巌氏、普段から役者にどんな試練を与えているの？
ノリノリ阿良也、阿良也のカムパネルラって、もしかしなくても……？
背景と化したアキラ
黒ちゃんによる巌氏の解説、景ちゃんまだ食べるの下手ね
演じるって何だ……？
ヤブ医者も何もね、人は絶対じゃないのよ
巌氏が病院に担ぎ込まれて発覚かな？病院抜け出して来てまで隠し通そうだけど、さてはて

そんな感じ。

悩む景、怒れる阿良也

新しい価値観を飲み込めない景。無意識に『お母さん』を『皆』と間違える。巌氏の共犯者となった罪悪感からか、『皆』に赦しを乞う事を望んでいる。何より、景は残された側だ。カムパネルラではない。置いていく側の心情など、知らない。

メソッド演技を武器とする憑依型の景は自己の大きすぎる感情を役で包みきれていない。そして前述したように、知らない人間を演じている。理解の及ばない存在を演じている。芝居に没入できないというのは、景にとっては致命傷だ。巌氏はお口に合わなかった。

前話、屋形船の晩から明らかに集中力を失っているというのは、側から見ても一目瞭然。

絶不調の景に対して、景が霞むほどに芝居の精度を上げる阿良也。彼の役はジョバンニ。憧れの親友を失う抱え込んだ少年。

もしかしなくても、阿良也という人間のカムパネルラは、自分を見出した巌裕次郎その人なのだろう。身体を気づかい、奮起させようと憎まれ口を叩き、寄り添う。

カムパネルラを失う事を薄々感じ取っていたジョバンニ。まさに、その人だ。

そう考えた時、2パターンの思考にたどり着く。無意識下で巌氏の余命に気がついているパターンそれは隠して悲しくある。景の演技や、巌氏の所作から感じ取っているのだろう。彼が巌氏の死を知った時、私は彼が耐えられるとは思えない。

千秋楽を迎える前に巌氏に何かあった場合、阿良也という役者の最期となるのではないだろうか。あくまで私見だ。そのルートに入った場合。カムパネルラ景が救いへと導くのかしらね。

もう一つがすでに巌氏の余命を察しているパターン。外道かよ。そう思ってしまうパターン。

飲み込んだ上で、演じているならば。まぁ、このパターンである可能性は薄いのではないかとは、ね。

巌氏の苦悩。

最終ページ。写真立てが割れている。劇団？の皆で撮った写真だろう。亀の主張激しいな。おそらく、倒れる直前まで見ていたのだろう。

自分の死を受け入れているが、未練を消化できたわけではない。黒ちゃんは語るあいつら似ているだろ？と。カムパネルラは自らに言い聞かせた。巌氏はまだ生きている。未練の塊を消化する為、巌氏にとっての「ほんとうにいいこと」を成し遂げる為。

彼は確かに置いていく側の人間だ。

景は、黒ちゃんの言葉で巌氏の心情を知った。知ったつもりなのかもわからない。理解の及ばない人間はいない？いるよ。

作中の現象として、景は巌氏を喰ったんだろう。残される側の景が、置いていく側を理解しようと、納得できるのかが、今後の見どころかな。

ヤブ医者

千秋楽を迎えるまでもつと思われていた身体が悲鳴をあげた。

現実であれば、即入院だ。

倒れたからには救急車が呼ばれるか、巌氏は芝居のために隠し通すか。

To be Continue.だ。

おまけ！

巌氏は新しい価値観について、お前はまだ知る必要はないと言った。ここから考えられる意味は2つ。

まだ知る必要がないのか、知る必要はないのか。

前者であれば、私は巌氏を外道と呼ぼう。暫定でね。

あと、辛くないの？ のコマの景がかわいい。